【荒唐無稽1 -藤原-】

2/6

427人が本棚に入れています
本棚に追加
/176ページ
『あいたたたぁ。 うわ~、びっくりしたわ』 そこには ちっさいおっさんがいた。 俺は藤原一裕。 ライセンスという お笑いコンビのボケ役。 今日は11時に仕事が終わり、相方の井本とわかれ、家に帰ってきた。 愛犬のご飯を用意して一息つき、やっと至福の晩酌タイムに突入し、リビングでビールを少々。 …いや、ビール四本目やから少々とは言わんか。 今日のロケは体力を使ったから、わずか四本で、ついついうたた寝をしてしまった。 浅い眠りに浮遊していたが、 寒気を感じ 「はっくしょん!!」 と大きなくしゃみが出た。 すると、目の前から声がした。 『あいたたたぁ、 うわ~、びっくりしたわ』 そこには6Cmくらいのスーツをきたのちっさいおっさんが前向きに倒れ込んでいた! え?え?え? 『ありゃりゃ、まいったな。 みつかってもーた』 ちっさいおっさんはテーブルの上でムクッと立ち上がり、薄い頭をかく。 「な、なんやこれ?」 『これって失礼だなぁ。 ワシは…あっ!』 おっさんはしきりに辺りを見回している。 -
/176ページ

最初のコメントを投稿しよう!

427人が本棚に入れています
本棚に追加