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「ごめんごめん」
玄関を出ると、いつもと変わりない親友。
「遅いぞ!」
激しい口調とは違い、屈託のない笑顔をした恭一と浩一は歩を合わせた。
「浩一は頭いいのに朝が弱いんだよ」
「お前は朝に強いのに頭が悪いな」
そうして浩一たちは学校に向けて歩きだした。
学校に着いた浩一たちは教室に向かった。途中、仲のいい友達と合流して教室に入った。
「あ、浩一!おはよ!」
入った瞬間、目に入ったのは浩一の席で宿題をしている吉田瑠美(ヨシダ ユミ)だった。浩一の席を使うのはいつものことなのでたいして驚きはしない。
「おはよ、じゃないだろ。まず、そこをどけ」
「じゃあ宿題貸して♪」
瑠美はいつも浩一に宿題を求めてくる。ま、別に構わないんだけど……
「別にいいが…たまには自分で宿題しないと恭一みたいになるぞ」
「おい浩一…俺は馬鹿の代名詞か?」
浩一は恭一を無視し、瑠美のいなくなった席に腰を下ろした。
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