あやまち

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「ねぇねぇ、浩一」 「さっさと宿題を写せ。先生に見つかったら僕まで巻き添えをくらうだろ」 浩一はカバンの中を覗き込み、教材を取りだし始める。 「いいから聞いてよ~。近頃、巷で噂になってるんだけど…」 「興味がない」 「聞いてよ!」 怒る瑠美をよそに僕は教材を整理し終わり、机に頭を乗せた。 「くだらない話なら後にしてくれ。そこの馬鹿に朝早くに起こされて眠いんだ…」 「俺かよ!」 大袈裟に驚く恭一をよそに、朝礼まで浩一は意識を手放した。 「椎葉、先生来たぞ」 隣の生徒から起こされ、重い頭を上げた。 まだ多少眠気は残っていたが、担任を前に寝るわけにもいかない。 「起立、礼」 日直の号令に従い、席を立って礼をして、席に着いた。 そういえば、先生の顔がいつになく暗いな… いつもはうっとおしいくらいに元気な担任が今日は何故か元気がない。 別にどうでもいいが、一生徒として気にはなる。 「今日はみんなに悲しいお知らせがある…」 担任が重い口を開いた。
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