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理解出来なかった
貴方は何を言っているの
貴方の言葉を
現実として受け止めることが出来なかった
『余命 三ヶ月』
何かを言おうと口を開くが
言葉が出てこない
沈黙の中
自分の鼓動さえ遠くに聞こえる
何かの悪い冗談ではないのか
何かの間違いではないのか
夢を見ているのではないか
嘘だと言って欲しくて
貴方の顔を見る
貴方の瞳が
まっすぐ私を見つめている
その瞳に宿る
寂しげな光が
現実だと感じさせる
その瞳はすべてを受け止め
優しく私を気遣っていた
思わず涙が零れ落ちる
貴方は告知を受けてから
事実を受け止めるまで
どれだけの苦悩と葛藤があっただろう
ごめんな…
貴方は呟き
優しさがそっと私を包み込む
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