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この駅前で仕事をしていると
沢山の人を目にする。
ハンカチで顔を拭いながら
階段を登って行くおじさん。
もう歩けない。と。
地べたに座り込む子供。
それを見て
置いてくからねと、
そう言いながら結局は
背負ってあげるお母さん。
携帯とアイスを持ちながら
器用に財布を取り出す若者。
そんな中、店頭の花達に
目を向ける人達は少ない。
だから、花を嬉しそうに
見ていた人達の顔を
僕は忘れない。
今日、
店に来た女性も
忘れないだろう。
そして、
こんなにも早く
また会う形になるとは
僕は思ってもいなかった。
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