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第6区から少し離れた所に位置する場所に、その孤島は存在した。
孤島…とは言っても、アントヴォルトの様な要塞国家である。
アヤナミは、リビドザイルから降りてクロユリとハルセと共に砦に向かっていた。
「何か…ステンドグラスがヤケに多いよね」
「この要塞国家は、第7区に服属していたので、教会の歴史やモノがそのまま受け継がれているんですよ、クロユリ様。有名なのは『歌姫伝説』でしょうか。」
「知ってる♪この島のお姫様の歌を聞くと願いが叶うんだよね?」
「はい。『人魚伝説』とも言われていますが、それぞれの地域によって話の内容が違って来ます。有名なのはクロユリ様が話されたモノでしょうか」
「…よく知っているな、ハルセ」
「よく聞かされましたから。」
「そうか。」
アヤナミは一瞬考える素振りをしたが、また奥へと歩き出した。
暫く進んだ所に、広間があった。どうやら皇族達が集まる場所だった様な跡がある。周りには、死体。
そんな死体だらけの部屋から、ヒュウガとコナツが出て来た。
「アヤたん、殲滅完了したよ」
「ご苦労。…目立った事は無かったか?」
「それが…」
コナツはアヤナミにそっと耳打ちをして伝える。アヤナミは暫く沈黙したが、
「…牢獄へ向かう」
と言って歩き出した。
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