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「ここが…牢獄」
地下の最下層にある牢獄には、やはり死体が散らばっている。ブラックホークが来る前に、此処で何回か戦闘が行われたという証拠だった。
一見、普通の牢獄なのだが、手枷と足枷が鎖で繋げられている。これでは逃げる事すらままならない。
探索を続けていると、何処かから声が聞こえて来るのをコナツが聞き取った。
「少佐、何か声が聞こえます!」
「うん。…歌声、かなぁ?…とにかく行ってみよう。
アヤたん、良いよね?」
「あぁ。許可する」
声が聞こえて来る方向を頼りに、牢獄の中を歩く。
暫く歩き、辿り着いた先には
手枷と足枷をつけられ、壁に寄り付いて座りながら歌っている少女が、いた。
「人間…?何で女の子が此処に…?」
少女はアヤナミに気づくと歌うのを止め、アヤナミをじっと見つめた。
「…貴方達は、誰?」
「…バルスブルグ帝国軍の者だ」
「…殺しに、来たの?ち…父上は…国王は…?」
「貴様の父上ならば殺した。…その手枷も足枷も外れよう」
アヤナミが指を「パチン」と鳴らすと、少女についていた手枷、足枷があっさり取れた。少女は目を見張る。
「貴方は…何者?」
「…その前に、何故此処にいるのか答えて貰おうか」
アヤナミは少女を見据え、言った。
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