キッチン

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「ありがとう、綺。」 永遠の指先から水が滴り落ち、シンクに粒を作る。 永遠の綺麗な笑顔が、白く灯る明かりに照らされ、より輝いた。 永遠の睛の光は強く、柔らかい。 …一瞬、嫉ましく思えた。 ―《東京》が、《諦めきれない夢》が、永遠を奪っていく。 もちろん、私にはどうすることもできないけど。 私にできること。 それは何だろう。 「あと、もう一つお土産があるんだ。」 すっきりした顔の永遠がはしゃいだ声を上げ、キッチンを出る。 私にできること。 私にしかできないこと。 永遠の綺麗な笑顔のために。 「なぁに?」 楽しそうに話している永遠の背中を見ながら、私もキッチンを出る。
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