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指揮官が皆出て行くと、上座のシルヴィアと末席のノアだけとなった。
ノアはなんだろうと思いながらシルヴィアを見つめ、
「あの、トレイズバーン卿?僕に何か用ですか?」
ノアは恐る恐るシルヴィアにそう聞く。
「今は私とノアしか居ない。卿をつけなくて良い」
と、そう返ってきた。ノアは、すぐに笑顔を取り戻し、
「はい!シルヴィ姉様!」
そう言うとノアはシルヴィアに駆け寄ると、無邪気にシルヴィアの膝の上に乗る。
「こら、ノア?お前ももう十三だ。そして次期コーディエルの当主になるんだ。甘えるのも大概にしないとだぞ」
シルヴィアはノアにそう言うが、シルヴィアは全くノアを抗おうとも、膝から下ろそうともしない。
逆に神狼と恐れられるシルヴィアの表情は、自分より年の離れた弟をあやす姉の様に穏やかな表情だった。
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