三年前

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指揮官が皆出て行くと、上座のシルヴィアと末席のノアだけとなった。 ノアはなんだろうと思いながらシルヴィアを見つめ、 「あの、トレイズバーン卿?僕に何か用ですか?」 ノアは恐る恐るシルヴィアにそう聞く。 「今は私とノアしか居ない。卿をつけなくて良い」 と、そう返ってきた。ノアは、すぐに笑顔を取り戻し、 「はい!シルヴィ姉様!」 そう言うとノアはシルヴィアに駆け寄ると、無邪気にシルヴィアの膝の上に乗る。 「こら、ノア?お前ももう十三だ。そして次期コーディエルの当主になるんだ。甘えるのも大概にしないとだぞ」 シルヴィアはノアにそう言うが、シルヴィアは全くノアを抗おうとも、膝から下ろそうともしない。 逆に神狼と恐れられるシルヴィアの表情は、自分より年の離れた弟をあやす姉の様に穏やかな表情だった。
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