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戦いはほぼ一瞬で決着が着いた。
神聖軍五千、それに対してエンスバッハ軍は約一万五千。
三倍の兵力差がありながら、それも"両軍一兵の死者も出さないで"だ。
平原で両軍が睨み合う中、神聖軍の赤旗に大鷲が足に二本の大剣を持つ旗が移動し、前に出た。
ちょうど中央に居る女。
長い白銀の髪に、威圧する狼のような釣り上がる目。
白い、どこまでも白い彼女こそ"神狼シルヴィア"である。
エンスバッハの兵士達は、前に出て来た神狼シルヴィアを一目見ただけで全軍が一歩後退した。
シルヴィアは、エンスバッハの軍勢を睨み付け、腕は腰に付けた剣に向けられた。
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