三年前

6/15
前へ
/451ページ
次へ
シルヴィアは張りのあるが、綺麗な声を天幕に響かせ、指揮官を促す。 それから次々と手が上がる。 が、それのどれも良い案とは言い難いものだった。 「他の案はないのか?」 シルヴィアは眉を潜めてもう一度言う。 だが、それから手が上がる事はなかった。 「ふむ…」 シルヴィアは一度指揮官達を見回すと、末席に座る子供に目が止まる。 「ノア…あぁいやすまない。コーディエル卿(きょう)貴方は何か策はありますか?」 シルヴィアは子供の名を敬称を付けて言い直した。 「はい、トレイズバーン卿」 子供は立ち上がり、スラスラと自分が考えた内容をシルヴィアに伝えた。
/451ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11468人が本棚に入れています
本棚に追加