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「あのちゃん、そろそろ起きないと、入学式間に合わないよ!」
「ん~?今何時…?」
布団の中でもぞもぞと動きながら、少女は自分を起こしに来た人物に問う。
「7時半!8時に皆が迎えに来ることになってるの忘れたの!?」
「……皆…?あ……ヤバい!」
あのちゃんと呼ばれた少女――亜乃子は慌て布団を跳ね除けると、階段を駆け降りて行った。
「もう少し早く起こしてよね、このちゃん」
と、叫びながら。
「それって、あたしのせい?」
理不尽さに首を傾げながら、亜乃子を起こすという任を終えた少女――好子は、騒がしく身支度すべく駆けずり回る亜乃子のあとを追い、階下へと降りて行った。
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