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やっぱり少し緊張する。
「あの…さぁ、渡したいもんがあんだけど」
「おや、春日にですか？珍しい」
「これなんだけど…」
「弁当？」
「俺が作ったんだけど」
「へ？これを春日に？なぜに？」
なぜに？じゃねーよ。
今すぐドッキリだとバラしてしまいたい気持ちをグッと抑えて笑顔を貼り付ける。
「お前に食って欲しかったからだよ…」
これはただの台本のセリフだ。緊張してんじゃねぇよ、俺。
「それじゃ、まぁ、有り難く頂くとしますかな」
春日は楽屋の余った弁当を全部持ち帰る（しかも冷凍保存してる）くらい卑しい奴だから、食い物にはあっさり釣られる。
まだ特に疑問も抱いていないようで、食料を手に入れてホクホクしている。
早い段階で感づかれる訳にはいかないから、俺も上手くやらなくてはいけない。
とりあえず、これで布石はクリアだ。
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