3人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
君と付き合って一ヶ月が経とうとしていた。僕たちは、もう三ヶ月間もあの長いメールを毎日していたが、それでも話題は尽きることがなく、毎日楽しくて幸せな時間を過ごしていた。
そしてこの頃から、行く所もなく、しかし会いたかったので、家の近くの廃校になった学校で、二人で会うようになっていた。
だがこの時期は十二月…凍えるように寒かったので、二人とも寒さを我慢しながら震えていた。
『ヤーバイ…寒すぎる』
と僕が言うと君は
『寒いねー…』
と返した。会話がなくなるとこの言葉しか出てこなくなり、どうしようか悩んだ。長い沈黙を、僕は頑張って打ち破ろうとした。
君の震える手を僕の手でそっと包み込み、そのまま君を抱き寄せた。君は一瞬ビクッとしたが、顔を赤らめながらすぐに体を寄せてくれた。君の体は冷え切っていて、すごく冷たかった。
『冷たいね…』
と僕が言うと
『大丈夫、こうしてれば温かくなるから♪』
と恥ずかしそうに、でも嬉しそうに言ってくれた。それがすごく幸せで、抱き寄せている君がすごく愛しくて…僕はこのまま時間が止まればいいのに、などと思いながらこの幸せなひと時を感じていた。
それからは、僕たちは週に二回は会うようになり、いつもこの廃校の場所でお互いを温めあったりしていた。本当に幸せだった。
こんな幸せが、ずっと続くと思っていたのに…
最初のコメントを投稿しよう!