第一話 僕らの距離

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「もうっ!鳴海のバカ、心配したじゃん。」とアタシはパカパカと鳴海の怪我してない胸の辺りを 軽く叩く振りをした。 そうしたら鳴海は「ごめん、心配かけて。転勤のことも絵美に先に言うべきだったよな?悪ぃ。」 と手を合わせて頭を下げる鳴海にアタシは 「もう良いから、もう怒ってないし転勤の間は鳴海が近くに居なくて寂しいかもだけどメールとか電話が出来るよね」 と泣きながら笑う。 すると涙を拭いながら、鳴海は「俺たちはまだまだこれからなんだからなっ!」 遠距離なんかに負けてたまるかとニカっと白い歯を見せながら笑う鳴海。 人の気配を感じてアタシは周りを見渡すと明里も愛も皆まだいた。笑。 気を利かせた哲哉くんが 「これじゃ、ただの覗きだし俺たちはそろそろ戻りますかっ!」と 皆に言うと明里と愛は「ちゃんと鳴海くんの手を握って離したらあかんでぇ」と笑いながら 明里は明里の彼氏と愛は愛の彼氏と一緒にその場を後にした。
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