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メールの文面で純の心の葛藤が伺える。春香に気を遣った、とても丁寧な文章だった。
(今日は本当のこと言ってくれてありがとう。さすがに結婚してるとは思ってなかったからビックリしたけど。言うのむっちゃ勇気いったやろ。ほんまありがとう。こんなんで店いかんくなるとか無いし、もしいかんかったとしても絶対次にいいお客さん巡って来るから。大丈夫やから。心配すんなよ。)
春香は泣き出しそうになっていた。
もし純にもう会えなくなったとしても純に真実を伝えたことを後悔するのは辞めようと考え始めていた。
真実を告げた2日後、純といつものようにメールしていた。
純から当然のように
(今日店行くけど居るやんな?)
とメールが来た。
もう会うことは無いと思っていた春香は飛び上がりたい気持ちだった。
なんて優しい人なんだろうと感激した。
春香は、この時から他の人とは違う感情を純に持ち始めていた。
それは恋とは少し違っていても、特別な何かが芽生えたのは確かだった。
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