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純と出逢ったのは半年程前。
寒いとも暑いとも言えぬ、5月の初旬頃のことだった。
春香が家計を助ける為に勤めるキャバクラに純が足を運んだこと、そして春香が純の席に着いたことがきっかけだった。
「春香さんです!!」
ボーイの威勢よく甲高い声が店内に響く。
席に着こうとすると純と目が合った。
「この子可愛いから俺この子でいいわ。」
純が春香の前で初めて口にした言葉だった。
春香はやや緊張気味に席に着くと、純は一緒に来ていた伊波と楽しそうに何か話した後もう一度、春香に向き直り、
「こないだ指名した子が居たんやけどその子今日居なくて。自分指名していいん?」
と言った。
「大丈夫ですよ。」
「そうなんや。最近キャバクラデビューしたばっかであんまシステムよく分からんくて。」
純の笑った顔が素敵で印象的だった。
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