10人が本棚に入れています
本棚に追加
女性は上品に微笑んで、「わたくしはパタポンの巫女、メデンと申します」と言った。
「…じゃあ、メデン、明日もここに来て、見てくれないかな……あの…竹馬」とモギュが聞くと、「はい、いいですよ。メデンは暇ですから」と答えた。
気がつくと、辺りは真っ暗で、深い紺色の空に、星と月が輝いていた。
もうこんな時間だわ、では私はこれで、とメデンが去ると、モギュは一気に体が重くなるのを感じた。
なんだろう…胸が塞がった感じがする。大きな石を詰められた感じだ。
でもさっき、メデンに竹馬を見せた時、いつもより多く出来たなと思いながら家に帰った。
父親ができたかどうか聞いたので、少し多くできたと答え、テーブルに置かれている晩御飯を食べた。
晩御飯はおいしかったが、そりゃ良かったな、もっと頑張れよと笑っている父親よりも、メデンの事が気になって、そういう事は上の空だった。
食べ終わった後、モギュは早々に寝床についた。朝早くから練習しよう…そう思って、眠りについた。
最初のコメントを投稿しよう!