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夕日は半分以上沈み、空の高い所には星が少しだけ光っていた。
モギュは、そこで竹馬に乗っては転び、転んでは乗りを繰り返していた。
前に重心をかけすぎたり、今度は後ろにかけすぎたりして転んだ。
カノッコのニヤニヤ顔が目の前に浮かぶ。
それでも、悔しくても、竹馬に乗り続けた。
その時、「あの…」という声がモギュにかけられた。
モギュは立ち上がりながら振り向くと、緑色のマントと、大きな羽根飾りをつけたパタポンの女性が立っていた。モギュは素直に、綺麗な人だ、と思った。
「なぜ、竹馬をされているんです?」と女性は聞いた。
「なんでって…めがポンになるためだよ」とモギュが答えると、
「まあ!めがポンの足はみんな、竹馬なんですか?」と驚きながら女性が言った。
「いや…元々足が長いからなる奴もいるんだけど、普通のパタポンなら、こんな風に、竹馬で…」すたすたと歩いてみせようとしたが、モギュは何歩か歩いてから、転んでしまった。
「うふふ…」女性が笑う。
「え…あ、笑うなよ!…それから…なんていうかその…名前、まだ知らないんだけど」モギュが、もじもじしながら聞く。
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