39人が本棚に入れています
本棚に追加
*
清々しい朝、と反転した僕の気持ち。
どろどろと液体化した、悪意と欲望。周りを渦巻くヘドロ。
僕は、虚ろな瞳をうっすらと開き、ふかふかとした心地の良いベッドから起きた。
「…………」
右手に持っている、小さな器具を耳へとそっと持っていく。
『……ガガ……、んー……プツッ……今日もいい天気だ…………ガッ……』
ノイズが多少交っているが、確かに聞こえる。
―お兄ちゃんの、声。
最初のコメントを投稿しよう!