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「つまり、ここに俺の血を分けた家族がいるってこと?」
亜図馬も私の腹を触った。
「亜図馬の血だけじゃないよ。このガキは私の血も分けられてる」
「そうだな。女の子?男の子?女の子なら結愛の愛の字と俺の亜の字をくっつけて…」
「何言ってるのよ。産まないわよ」
私はそう言って亜図馬の手を腹からどけた。
「えっ、嘘ー。産んでよ俺の子供ー」
「訳わかんない。私がガキ嫌いなの、亜図馬が一番よく知ってるでしょ?」
「まぁ、結愛が子供見て舌打ちしてるのをすぐ横で見てたからねー。だけど、それは他人の子供だからでしょ?自分の子供なら自然と愛着わくって」
「他人でも自分でも愛着なんてわかないわよ」
私が右手で腹を叩くと、亜図馬はあわてふためいて私の手を勢いよく叩いた。
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