尾行

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1999年 10月24日 午前 4時49分 東京 某所 閑静な住宅街に場違いなほどぽつんと佇む木造のアパートが一軒。 何故潰れないのかと疑問に思うほどだが、とにかく家賃が安い。 そのため部屋は常に満室。 夢に燃える若者から訳ありの中高年、強面の輩等々から見れば格好の住家だ。 そんなアパートの近くに、3日ほど前から1台車が停まっている。 「…………」 車の中では、一人の男が少し斜めに倒した座席にもたれながらアパートを眺めていた。 杉崎省吾。33歳。 警視庁捜査一課の刑事。
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