0人が本棚に入れています
本棚に追加
大広間のような部屋にはその広さには合わない戦慄とした静けさが漂っていた。
ここは王室、それが普通なのだろうとそんなことを思いながら一国の王、ヴォイズはあることで頭を悩ませていた。
そこへ、足音をたてながら近づく人影。
〈カツカツカツ・・・・〉
男「お決まりになられたでしょうか?」
王ヴォイズ「うーん、本当にこのような方法で王国は救われるのだろうか・・・・」
男「私としては間違いないかと」
王ヴォイズ「もう少し、もう少し時間をくれないか。息子にも相談してみようと思う」
男「・・・・・わかりました。できるだけお早い回答をお待ちしております」
男はそう言うとクルリと体の向きを変え、入ってきた時と同じ歩調で歩き、部屋を出ていった。
王ヴォイズ「父上殿、私はどうしたらよいのでしょうか・・・・・・」
その言葉を最後に再び王室に静けさが戻った。
『ふふふ・・・・・。もう少々お待ちくださいませゼノア様。もう少しで・・・・・・』
闇の中で白い歯が静かに光った。
最初のコメントを投稿しよう!