第1章─若き王子─

10/10
前へ
/12ページ
次へ
〈カサカサカサ〉 草を掻き分ける音。 ここは大木が塔の様にたくさん並び、様々な草木が生い茂り、無数の種類の生き物が潜んでいる森───・・・・ 【アグーの森】 人々はそう呼ぶ。 広域の領土のヴォイズキングダムでも有名な自然からなる森だ。 その森をアーツ達は生い茂る草を掻き分け、先に進んでいた。 今日は狩猟クエストの実行日。 クエストとは王国内の人間が兵士達に与える試練のようなものだ。 無論、相手は人だけではない。 この世界はモンスターや野獣がうようよと潜んでいる。 それらを自分の命を懸け、実行する。 もちろんクエストクリアした者にはそれなりの報酬が与えられる。 その報酬目当てや、ただモンスターを狩りたいが為に兵士になる者も多い。 そして、クエストにもランクがあり、上級・中級・下級とそれぞれわかれている。 クエストをこなすごとにだんだんとランクが上がっていく、という仕組みになっている────・・・・ 〈ガサガサガサ〉 ギィナ「ぁ゛~、まだかょお~」 「ギィナ、少し黙っていろ、先程からうるさい」 俺は草を掻き分けながら小さく呟いた。 リン「王子様の言う通りだぞ猿が」 俺とギィナはニヤけているリンを睨みつけた。 その時────!!!
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加