第1章─若き王子─

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ギラン「よぉガキ共」 手を挙げただけで威圧感がドッと沸くのを感じるのは俺だけだろうか・・・・? ギィナ「なんだょ~さっきあんたの説教受けたばっかじゃねぇかよぉ~」 ギィナがだるそうに肩を落とす。 ギラン「実は今日はお前達に用があってな、と言っても大したことではないんだが」 「なんですか?用とは」 ギラン「まぁここじゃあアレだから長官室へ行くぞ」 と言うと長官は踵を反し、右側の方向へ歩きだした。 ギィナ「なんだろぉな、用って」 ギィナがやけにニヤニヤしているので、どうせ大したことないだろと冷たくあしらった。 ギラン長官は俺とギィナが兵士養成学校へ入った時の初めての教官だった。 始めの俺の印象は、"恐そうな人"だった。 身長はドデカいし、体型は割とスラッとしているが、しっかりと筋肉がついていて引き締まっている。 そんな印象を受けながら俺はギラン長官からたくさんのことを学んだ。 堅物かと思っていたが、すぐに打ち解けることができ、正直嬉しかったような記憶もある。 そんな学校生活も今年卒業し、立派な兵士としてのスタートをきったというのが今の時点。 そんな長官が今頃なんの用だろう・・・・ 結局、俺もギィナと同じく内心ワクワクしていた。 ギラン「さぁ、入れ」 そう言われたので俺とギィナは扉の前に立ち、 『失礼します!!』 と声を合わせ言った。 部屋に入ると真っ先に目に入った者がいた。 俺達の向かい側の壁に背もたれながらこちらを見ている黒い影。 顔は暗くて確認できないが確かにその影の口はこちらを見てニヤリと笑った。
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