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僕は旅をしています。
理由は分かりません。
その理由を探す旅なのかもしれません。
だけど分かりません。
僕はある村へ立ち寄りました。
『幸せの村』と言う村でした。
その村ではみんなが幸せそうに笑っていました。
なんでみんな笑顔でいるのか分かりませんでした。
僕から見ると、みんな普通に生活をしてるだけだったんです。
それによく見ると、貧富の差も多少なりあるみたいでした。
なのにみんな幸せそうな笑顔をしていました。
僕はその星で、真ん中くらいの生活をしている家族に話し掛けてみました。
「どうしてそんなに幸せそうなの??」
その家族の子供が答えてくれました。
「どうしてって、幸せだから幸せなんだよ」
よく分かりませんでした。
「特に裕福でもないのに幸せなの??」
その家族の母親が答えてくれました。
「えぇ、とても幸せ」
素敵な笑顔でした。
「普通…なのに??」
その家族の父親が答えてくれました。
「普通…か。
君にとっての普通は何??」
逆に聞き返されてしまいました。
「えっと…」
どう答えて良いかわかりませんでした。
「僕は昔ね、大きな病気にかかっていたんだよ」
その父親は言いました。
「だけど今は回復してとても元気に暮らしている」
昔病気したとは感じさせないような笑顔でした。
「会えなかったかもしれない息子に会えて、
一緒に暮らせなかったかもしれない妻といる。
そんな当たり前な生活が僕にとってはとても幸せなんだよ。
普通の生活を送るってことが、普通じゃなくて幸せなんだって、
僕達家族は気付くことができた。
だから今がとても幸せなんだよ」
母親も子供も笑顔で頷いていました。
普通ってなんなんだろう?
僕にはちょっと難しい話でした。
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