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「私はここの教官兼保険医のトリカと言います。取り敢えず中に入りましょうか。さ、私に付いてきて」
白衣で隠しきれないその豊かな胸元に、既に鼻の下が伸びきっている人もちらほら見える。
トリカの案内で皆が一室に集められた。机に黒板。そこはいわゆる教室だった。
皆が指示されるがままに椅子に座ると、運転手が教室に入ってきた。
「あー、ここにいる十二名。この名門バラックスから招待を受け、それに応じた君達は優秀なトルーパー達だ。胸を張ってもいい!」
まんざらでもない様子ではにかむ姿が見られる。
「……が、それもさっきまで。ここに入った瞬間、お前らは底辺だ!クズだ!ゴミだ!」
これにはさすがに我慢ならなかったか、先ほど玲菜に食ってかかった男が立ち上がる。
「おい、ただの運転手がそこまで偉そうにするなよ。それともあのバスがアンタのアーマーだってのかい?」
男のジョークに笑い声が付いてきた。
その笑い声をかき消すような豪快な笑いを運転手は被せてきた。
それに圧倒され、教室は急に静けさを取り戻した。
「いいか、お前らがやる競技、『コンバット』は例外無くチーム戦となっている。何故か分かるか?」
「……相性」
少し間をあけ、ひかるが答える。
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