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「そう、相性だ。グーがパーに勝てないように、その組み合わせでどうしても結果が見えてしまう戦いがある。それではつまらないとチーム戦になったわけだな」
「それとこれとは関係ないだろう」
「教官の話は最後まで聞け!」
運転手はハッとした顔で、トリカを見た。彼女は苦笑しながら首を横に振った。
「ぐあぁぁ!皆をびっくりさせようと隠していたのにぃぃ!」
「もう手遅れよ。皆がポカンとしちゃってるから早く自己紹介したら?」
「……俺の名はツルギだ。お前らの担当を受け持つ」
「ちなみに私が副担任ね」
「……で、その教官様は私達にどんなありがたい話をしようとしてたの?」
皆が付いていけない状況の中、玲菜が口を開いた。
ツルギはしばらく玲菜を睨み付けた。玲菜は全く動じない。
「なーんか今年は問題児が多そうだな。まぁいいか……お前らは個々としては確かに優秀だ。だがチームが無ければ戦えない。そしてお前達はチームが無い」
もちろん、地球にいた時にひかる達はチームを組んでいた。しかし、バラックスに呼ばれたのはチームではなく個人。当然ながらチームを脱退しなければならなかった。
「つまりお前達は土俵にも上がれないクズだ。間違ってはないだろう?」
「じゃあチームを作ればいいだけの話だろ?」
「そうだな。だが見ず知らずのお前達がどうやってチームを組む?」
誰も言葉が返せなかった。
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