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「そりゃそうだよな。互いに何も知らないわけだからな。と言うわけで優しい俺様が既にチームを考えてきた。これ以上のない最高の組み合わせだ。……今座っている席の横の列、それがチームだ!」
真ん中にいるひかるはまず、右を見た。ニコッと笑う愛流と目が合う。
左を見た。玲菜の横顔が目に入った。
「さぁ、チームを確認したところで今日は解散、自由行動だ。親睦を深めるもよし、旅の疲れを癒すもよし。各々自由にしてくれ。明日は遅刻するなよ!」
ツルギはそれだけ言い残して教室を出ていってしまった。トリカもそれに続く。
生徒達はいきなりのチーム発表に戸惑ったがぎこちなくもコミュニケーションを取り合い始めた。
「ひかるちゃん、一緒のチームで良かったね!」
「うん」
「ねぇねぇ、貴方の名前は?」
愛流は早速、玲菜の真正面に陣取る。
「れ、玲菜よ。上之宮玲菜」
これにはさすがの玲菜も少し戸惑いの表情を浮かべた。
「ふ~ん…玲菜ちゃんかぁ。私は天見愛流。こっちはひかるちゃんね。さて、自己紹介も終わったし、早速話し合いを始めましょ!」
「あら?貴方、よく分かってるわね。互いの機体の特徴を知らなければ話にならないものね」玲菜が嬉しそうな表情を浮かべる。それを見たひかるは少し親近感が湧いた。
「ん?なんだかよく分からないけどチーム名のことだよ?……あ、皆の名前から一文字ずつとったら『天之川』になるね!よし、アマノガワ!チーム名はアマノガワ!」
呆気に取られる玲菜を前に、愛流は拳を突き上げ高らかにチーム名を連呼し続ける。
当然周りから注目を浴びる。ひかるは顔を真っ赤にして二人からそっと離れていくのだった。
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