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『第二種、安全装置解除!システムオールグリーン!』
玲菜の溜め息が聞こえてくる。
『ヘラクレス!発進!』
愛流の掛け声と同時に一体のアーマーが勢い良く飛び出した。カブトムシのような一本の大きい角が特徴の機体だった。
「愛流、ブースターの使い過ぎに注意するんだよ」
『アーマーは乗り手を選べないのは可哀想なことよね』
ひかるの前を白い機体が通り過ぎていく。玲菜がそのままアーマーになったような印象を受ける。不釣り合いな背中の大型ライフルが目立つ。
『玲菜ちゃんのBBもそう思ってたりね』
『なっ……今日こそはそのダサい角を撃ち落としてやるわ!』
玲菜もブースターを使い、ひかるの視界から消えていった。
ひかるは深く深呼吸をし、機体を操作する。前面の大画面に機体の手が映った。
そして機械の手がゆっくりと手を握る。
「行こうか、ノワール」
黒い機体が赤い火柱を吹き出しながら、青い空の下に駆け出していった。
中にいるひかるは風を感じていた。
「ぷはー!この一杯が堪らないんだよねー!」
愛流は部屋に戻るなり、冷蔵庫から缶ジュースを取り出しそれを一気に飲み干した。
「二人も飲む?」
「いや、ボクはいいや」
「私はいただくわ」
ひかると玲菜は愛流に呼ばれ、部屋を訪れていた。
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