~burning~

3/5
前へ
/33ページ
次へ
『第二種、安全装置解除!システムオールグリーン!』 玲菜の溜め息が聞こえてくる。 『ヘラクレス!発進!』 愛流の掛け声と同時に一体のアーマーが勢い良く飛び出した。カブトムシのような一本の大きい角が特徴の機体だった。 「愛流、ブースターの使い過ぎに注意するんだよ」 『アーマーは乗り手を選べないのは可哀想なことよね』 ひかるの前を白い機体が通り過ぎていく。玲菜がそのままアーマーになったような印象を受ける。不釣り合いな背中の大型ライフルが目立つ。 『玲菜ちゃんのBBもそう思ってたりね』   『なっ……今日こそはそのダサい角を撃ち落としてやるわ!』 玲菜もブースターを使い、ひかるの視界から消えていった。 ひかるは深く深呼吸をし、機体を操作する。前面の大画面に機体の手が映った。 そして機械の手がゆっくりと手を握る。 「行こうか、ノワール」 黒い機体が赤い火柱を吹き出しながら、青い空の下に駆け出していった。 中にいるひかるは風を感じていた。 「ぷはー!この一杯が堪らないんだよねー!」 愛流は部屋に戻るなり、冷蔵庫から缶ジュースを取り出しそれを一気に飲み干した。 「二人も飲む?」 「いや、ボクはいいや」 「私はいただくわ」 ひかると玲菜は愛流に呼ばれ、部屋を訪れていた。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

89人が本棚に入れています
本棚に追加