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『こんにちはー』
かよが途中まで迎えにきてくれていて,中に入ると想像していた光景とはまったく違った。
中にはこういちと別にあと2・3人男の子達がいて,みんな何か精気尽きたように寝入っていた。
「かよ‥これ何?」
唖然とする私に,
「ごめんみんなオール明けらしくて‥ずっとねてるんだよね。」
「なんか‥あたしいるのおかしくない?」
帰ろうとするあたしをかよは止めた。
「まってまって~この状況で私を一人にしないでー;;」
泣くフリをしてかよは止めた。
「きみがまよちゃん?」
突然後ろから声がした。
「あっプリクラと同じ顔だー」
あたしは言ってしまった。
「そりゃそーやろ。本人やし」
笑いながらこういちはいった。
「まよちゃんどーよ?生のこういちは?」
かよがニヤニヤしていった。
「どうよって‥想像よりデコひろいね?」
しんとする空気。
「えっあたしなんか地雷踏んだ?」
かよはけらけらわらっている。
「もーいいゎー寝る」
不貞腐れたようにこういちはぷいっと向こうを向いた。
「えーごめんなさい」
気にしていたことにいまさら気付き,謝ったがおそかった。
おどおどしていたあたしに、
「まよちゃんおもしれー」
後ろから声がかかった。
かよの二段ベットに寝ていたらしいそのひとは,どこからきいていたのかそんなことを言った。
「こういちああみえて傷ついてないよ」
付け加えていった言葉にこういちが,
「もう言われ慣れたしね!」
と本当に気にしてない素振りで笑った。
「仲良しなんだねー」
そんな光景をみて私はそのまま言った。
みんな同級生らしいが、かなり大人っぽく見えた。
後ろからフォローしてくれたその人はゆうじくんといった。
小柄に見えてもやはり男の子だ。
すらっと背は高く、筋肉は引き締まっていて顔も小さくてサル顔だった。
これが最初のゆうじとの
出会いだった。
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