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日に日に増える管の数
-なんだか耳が遠くなってきてるような…
リンは自分が弱っていくのがよくわかっていた
きっともぅ治らないというのも
-歩くのかなりキツイかもな…
もし,生きてこの病院から外に出れないなら…
最後に…あなたに…
-会いたい!
自分に刺さっている管を取り外し,リンは看護婦さんにバレないように病院を抜け出しレンに会いに行く。
一方,その頃レンは今日も塀の側でリンを待っていた。
-リン,今日は遅いな…
そんな事を思っていると調度よくリンがやって来た
-…?
いつもと様子が違うのがわかった,腕には幾つもの傷があり元気がない
…けど,いつものように笑っていた。
いつものように紙飛行機を交わす…
レンは大丈夫?と心配した内容の手紙を渡す。
そして,リンはさよならの想いを紙飛行機にのせて…
レンは手紙の内容を見て動揺した…手紙には自分の病気は治らない事,だからこれでさようなら,など,色々書かれていたから…
レンをよく見るとアザが増えていた。他の囚人にいつだったかの手紙に虐められてると書かれていたのを思い出す。
また虐められたのだろうか…
そう思うと心が痛くなった…
泣かないと頑張っていたがつい涙目になる
大きく手を振ってさようならをし,去ろうとした瞬間
「待つよ!いつまでも待ってるよ!…また君に会えるその日まで…」
抑え切れない感情がついに言葉となってでた。
-……
胸が苦しくなった
涙が頬を蔦ってこぼれ落ちた
レンの呼びかけに反応せずリンは病院へ戻って行った
-…手紙を大事になくさずにいたら,…また,きっと会えるよね?
ひそかに願った。
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