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「……わ」
わ?
「忘れてたぁぁぁああっ!?ルドラ様がルディア様を御呼びしているんです!!ああっ!?しかも、こんなに時間経ってる!!あー…もう駄目だ…私はもうクビだ…」
そう言って、座り込み、ぶつぶつ呟くハクア。
ちゃんと説明すれば許してくれるだろうに…
「遅い!!あのメイドは迎えも満足に出来んのか!!」
いらだたしげに机をコツコツと叩き現在の機嫌を表しているルドラ。
「確かに遅いわねぇ…この時間はルディは書斎にいた筈なんですけど…」
「…書斎?あのわけの解らん本がある場所か?」
リディの言葉に反応してルドラが疑問を浮かべる。
「まあ、あなたにはわからない本でしょうけど魔法省や文官程度の知識があればわかるんじゃないかしら…あの子暇つぶしがわりにあそこの本を読んでいるのよ」
「何を馬鹿な…例え読んでいたとしても理解できていない―「わけでも無いんですよねぇ…こないだ楽しそうに魔法陣の構築式を描いて遊んでいるのを見た時、嘘かと思ったもの…」
魔法陣とは魔法の基盤を作る為の魔法で、強力な魔法や二つ以上の魔法を掛け合わせるのに使ったりサポート系の魔法と考えてもよい。
勿論、魔法陣無しでも強力な魔法を使う事ができるが、手間をかけるだけで魔法の発動随分楽になる。
しかし、魔法陣を描くには魔法を組み立てる構築式を魔法文字で印さなければならない。
魔法文字とは精霊が使う文字で、理解するのがとてつもなく困難だと言われている。
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