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「い、いや…てっきり嘘だと思ってだな…」
ルディアは目を細めてルドラを見るが、ルドラはたどたどしくルディアに言う。
ルディアは再び農夫達に振り返り荒れた田畑を指差す。
「…あそこには芋以外の作物は植えてみましたか?もしかしたら別の作物なら育つかもしれません」
ああーと農夫達は声を揃える。どうやらそこまで考えが追い付かなかったらしい
「あと、痩せた土地ですが…深く掘り返し、石等は出来るだけ取り除いて土を細かく砕いて下さい。それから私が今から言う物を集めてすり潰した物を田畑に撒いて下さい」
全体が無理なら芋を育てていた場所だけでいいので試して下さい
と付け加え、いくつかの物を書いた紙を渡した。
農夫の一人が集め、すり潰した粉を持って来た。
「あの…これは何で?」
ん?あぁ、この世界には肥料の概念がまだ無いのか
「畑の薬みたいなものです。私のやりたい事はやりました」
私はそう応え、お父様に振り返る
「そうか…ではここら一体をルディアに任せよう」
は?
「そうねルディったら初めてなのに平民達を纏めあげて助言まで…ルディならこの方達も安心でしょう」
え?リディさんまで?
もしかしてやり過ぎたか?
「では帰るぞルディアには新しく教えなければならん事がたくさんある」
勝手に話を進め、場所に乗り込む二人をただ茫然とみる事しか出来なかった。
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