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馬車を下り、目の前に鎮座し、圧倒的な存在感を放つ居城
「………大きい…です…ね…」
「うむ、この国の国王陛下の城だからな」
私の呟きに返すおじ様はどこか自慢げ
…え?…何これ?
うちの屋敷の倍以上あるよ?
『ようこそいらっしゃいました。ムシャーテ様』
城に足を進め、扉を開けるとレッドカーペットの脇に並ぶ使用人達の列が出迎えた。
頭を押さえたくなる衝動に駆られたがぐっと耐え、無表情仮面をつけて軽く会釈しながらお父様達の後ろを歩く。
しばらく歩くと使用人が正面の大きな扉を開き中に入るよう促す。
…死にたくなってきた
渋々来たというのに目の前のきらびやかな内装、きらびやかな衣装に身を包んだ貴族達…
ただえさえ少ない気力が急速に減っていく
…知ってる?貴族ってハハハハハとかオホホホホって本気で笑うんだよ…
「ルディア私達は他の方々に挨拶に行くがどうする?」
「…少し中を見て回りたいので」
本当ならこの空間に一人でいたくは無いが一緒に着いて行って貴族連中と故意に話したくなかった。
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