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「ほぅ…それで?」
にやりと笑い、トーマさんは続きを促す。サルヴァさんは眉を潜めこちらを睨んでいる。
「…確かにこれは強力な障壁ですがこの陣を見る限り本来の効力を発揮しきれていないかと」
「何を馬鹿な…この魔法陣は王宮直属の魔導師達が総出で描いたものだ!侮辱するのも大概にしろ小娘!!」
剣を抜き、無表情のルディアの眼前に突き立てるサルヴァ。しかしルディアの表情は崩れる事は無い。
「…ならば撤回しましょう。王宮直属魔導師が総出でこの程度ですか」
「―――っ貴様「やめろサルヴァ」
突き立てていた剣を振り上げたところでトーマさんがとめに入った。
あー…怖かった…
「部下の不手際申し訳ない…しかしどうして…」
私はトーマさんの言葉を遮り、持っていた鞄から一枚の紙をトーマさんに渡す。
「これは…魔法障壁陣…?見た事無い陣だな」
「…差し上げます。何かと敵も多いでしょう?トーマス=ホルスタイン陛下」
ルディアは軽く一礼してその場を離れた。
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