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末恐ろしい子供だな…
「サルヴァ、マーリを呼んで来てくれないか?」
「…お言葉ですが陛下後ろにいらっしゃいます」
トーマが振り向いたすぐそこに深緑のローブを身につけた長い白髭の老人が立っていた。
「ホッホッホ、トーマス相変わらず鈍いのう」
「マーリ…貴方も相変わらずで…まあ、今は貴方に聞きたい事が精霊魔導師の貴方に…」
トーマは先程ルディアに渡された紙をマーリに見せる。するとマーリのにこやかな表情が真剣なものへと変わっていた。
「…トーマス、これは何処で手に入れた?」
「あ、あぁ、実は先程ムシャーテ家のご息女に頂いたんだが…どうだ?」
「…これはおぬしも気付いているだろうが防衛魔法障壁陣じゃ…しかし、わしもこんな複雑怪奇な物は見た事が無い」
「効果はどのくらいかわかるか?彼女は城の防衛魔法障壁陣をこの程度と言い放ってな」
「ホッホッホ、参ったのう」
何処か楽しげに言うトーマにマーリも頬を緩める。
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