ζ―その世界の名は―ζ

3/10
3394人が本棚に入れています
本棚に追加
/133ページ
――何だこれは… 少年の茫然とした呟きは言葉にならず、泣き声として発せられる。 全く理解できない状態だ。 見慣れない西洋の城を思わせる豪華な造りの部屋。 そして―― 今の自分を抱いている日本人離れした亜麻色の髪と容姿の美しい女性が穏やかな微笑みを浮かべて、自分を見下ろしていた。 再び女性の碧眼に映る自分の赤ん坊の姿を見て心の中でため息をつく。 すると部屋の外から慌ただしい音が響き、それは徐々にこちらに近づいているようだ。 勢いよく扉が開け放たれ、30歳前後の男性が入って来る。 「リディ!私達の子は!?」 「ふふ、可愛い女の子ですよ。ただあまり泣かないみたいで…」 リディと呼ばれた女性は私を男性に手渡す。 「私の名はルドラ。今日から君は私達の娘だ」 ―は?娘? 私の中で等式が成り立つ (私=男=赤ん坊+娘=女=赤ん坊)×外人さん達が親= 転生&性転換+記憶有り
/133ページ

最初のコメントを投稿しよう!