3394人が本棚に入れています
本棚に追加
まあ、でも典型的に索敵が苦手何だろうな…
ルディアは意識を広げ、風の精霊を介して辺りを探る。
「…空間が歪んでいる?」
精霊を介して見た景色は、城の敷地内、ちょうど人が集まっているこの場所を囲うように空間が歪んでいる。
「―――っ!?伏せろ!!」
突如、微かな歪みは膨れ上がり、異形の怪物が飛び出した。
ルディアの言葉に反応したのは4人、しかし索敵が苦手な光と火は爆音に困惑しているだけだ。
ルディアは鞄から王に渡した同じ魔法陣を取り出し、展開すると同時に困惑している二人の頭を掴み、伏させる。
「何する―――」
ヴォルケーノがルディアに文句を言おうとしたが城の障壁が壊れる音と共に響く悲鳴によって掻き消された。
瓦礫の中から現れたのは四体の人型
それらは頭に角、手は鋭く長い爪、背に蝙蝠のような翼を持ち、黒い鱗が身体を覆い、朱い瞳を爛々と光らせて辺りを見回す。
「悪魔だ…」
一人の呟きがこだまし、次に起こったのはパニックだ。
悪魔とは魔物よりも上位の存在でその力は強大で知能も高く、言語を発する。
『ゲギャギャギャ!オレタチガ現レタダケデ人間ハ逃ゲテヤガルゼ』
耳障りな笑い声と共に他の三体も愉快そうに嗤う。
最初のコメントを投稿しよう!