霞編 1

2/8
前へ
/18ページ
次へ
ここはどこだろう? 僕は荒れ果てた大地にたった1人で立っていた。 僕は誰なんだろう? 僕は自分の名前すら分からなかった。 分かるのは自分がまだ子供だということと、女の子みたいな見た目だけど男の子だという事だけ。 正直、僕みたいな小さな子供は、その辺の野良犬はおろか、カラスにすら狙われたら命は無いだろう。 しかし、不思議な事に僕に恐怖心はなかった。 僕自身の年齢はきっと2歳くらいだろうが、あり得ないくらいに落ち着いていた。 と、そこに何人かの男が現れた。 手にはやたらと重そうないかにもといった感じの棍棒や、触っただけで切り刻みますといった感じの剣やら、バリエーション豊富な人達だった。 ?「グスタフさん、あんなところにガキが居ますぜ。 見たところ女のようだし、捕まえて俺たちの慰み物にしませんか?」 なんか、背が低くて、肌の色の黒い人がリーダーだと思われる人に話し掛けた。 それにしても、僕にはよく分からないことを喋っていたけど、何故か背筋が凍った気がした。 グスタフ「それもそうだな、しかも見たところかなりの上玉だ。 ちと、幼すぎるのがたまに傷だが、あれだけ美しければそんな事ささいな事だろう。」 グスタフと呼ばれた男がまた難しい話をして、また何故か僕の背筋が凍った。 グスタフ「おし! おめえら!捕まえろ! 間違えても傷なんかつけるなよ。 後のお楽しみが減っちまうからな!」 そう言うと、全員が僕に向かって襲いかかってきた。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加