序章

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   僕の、友人の話をしようと思う。    僕が彼等に出逢ったのは本当に偶然の事で、今でもあれは夢だったのではないかと思う事も多い。  でも僕はあの夢のような出来事が現実だったのだと信じている。  彼等に出逢ってからもう随分と時が経ってしまった。  あの時の僕はまだ子供過ぎて、彼等に伝えたかった言葉を上手く伝える事が出来なかった。僕はきっともう彼等に出逢う事は出来ないだろう。    もし、僕のこれから記すこの話を少しでも信じてくれる人が居るなら。  もしも、首にヘッドホンを着けた子やへんてこな服を着た女の子や金髪のお嬢様に出逢う事があったなら、僕の代わりに感謝の言葉を伝えて欲しい。  あの時の優樹少年はあなた達のお陰でこんなにも変わる事が出来ましたと。それだけでもきっと彼等は分かってくれると信じている。  
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