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そしてその少なめの朝食を昨日と同じ場所に座って食べながら、ユリは雪螺に様々な約束をさせる。
ユリは学校に登校しなければならないので、出来るだけ早口で、でも抜かりのないように。
「冷蔵庫は一番上以外触らないで。調味料とか出してあるから、絶対他んとこいじるな。昼ご飯それで適当に作って。リビングは散らかさない程度なら使用許可する。テレビも見ていいから外には絶対出ないで。他の家具は触らないでよ。特に本棚の本。わかんないことは絶対しないこと!いい?六時までには戻るから」
もちろん…自分が学校に行ってる間に帰ってくれれば、 それに越したことはないのだけれど。
残りの一口を口に放り込み、ユリは荒々しく立ち上がった。
食器をシンクに放置して、寝室へ向かう。
振り替えって雪螺を睨み、更に釘をさした。
「あと、私が着替えてるとき寝室に入ってこないこと!」
雪螺はユリを見ながら面白そうに笑い頷いた。
口にスプーンで運ばれるスクランブルエッグが輝いて見える。
「ごゆっくり」
「ばか!ゆっくりなんてしてらんないわよっ!」
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