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「…」
男性の後を、拓也は黙って歩いている。
男性について行く事に決めた拓也は、蛍光灯が一直線に続く、全面白で染まった廊下をかれこれ十分は歩いていた。
途中、拓也はここがどこなのか、今は昼か夜かを確認する為に窓を探したが、それらしき物は一つも見つからなかった。
拓也はこの廊下に不満を漏らそうとしたが、どういう訳かそれを口にする事はできなかった。
「あぁ、そういえば忘れていました」
廊下を歩き始めてからずっと無言だった男性が突然口を開いた。
「私とした事が、名前を言い忘れていました。私は改造人間N-43 リザードと申します。43番でもリザードでも、好きなように呼んでください」
「改造人間…?43番とは何ですか…?」
拓也は謎めいたその言葉に、疑問をぶつけてみる。
だが、拓也の顔は不思議がるといったものではなく、むしろ不機嫌そうな顔である。
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