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突如、つい一分前にはいなかったはずの駐輪場に、一人の若白髪の男性が立っていた為に、青年は慌ててバイクのブレーキを掛けた。
「危ないじゃないですか!そんなとこに立っていたら、事故に遭いますよ!」
青年が注意すると、男性はゆっくりと口を開く。
「…失礼ですが、あなたは大野拓也様でしょうか?」
「はい…。そうですけど…?」
その瞬間、男性の掛けている片眼鏡(モノクル)がキラリと輝いた。
プシュ…
「うっ…」
大野拓也と呼ばれた青年を急な眠気が襲い、拓也はバイクのフロント部に倒れ込む。
「何を…」
拓也は呟きながら、霞む眼で男性を見つめる。
「ようこそ大野拓也君…。我らがカタストロフィーへ…」
それを最後に、拓也の意識は深い眠りへと誘(いざな)われた。
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