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次に拓也が目を覚ました時、拓也は自分に違和感を覚えた。
───何だ…?
「お目覚めになりましたか、大野拓也君?」
突然後ろから聞こえた声に、拓也が振り返る。
そこには、片眼鏡を掛けた若白髪の男性が壁に寄りかかりながら腕を組んでいた。
「あなたは…」
その時拓也は初めて気づいた。
自分がコンクリートで塗り固められた六畳程の部屋に、上半身裸で床に転がっていた事を。
「さすがにそれではお寒いでしょう。気休め程度ですが、これを着なさい」
男性は、腕に掛けていた純白に染まった白衣を拓也に手渡した。
「…あなたは一体誰ですか?どうして『私』はここに…」
白衣を着ながらふと、一人称が『私』になっている事に気づく。
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