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「…ふむ。どうやら上手くいったようですね…」
男性は拓也の方を見ながら小さく呟く。
「何がですか…?」
「あぁ、気にしないでください。あなたに何が起きたか、知りたいのならついて来てください。我らが『マスター』にお顔を───見せなければなりませんし、直接話してもらった方がいいでしょう」
男性が『お顔を』の後に何か小さく口にしたが、拓也には聞き取れなかった。
それよりも、拓也は『マスター』と呼ばれる人物の方に気を取られていた。
「マスター…?」
「えぇ。その名の通り、私達の師です」
にこやかな顔で応対しながら、部屋のドアを開けて外へ出る。
それを追うように、拓也も部屋の外へと歩み出た。
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