船上にて…

7/8

17242人が本棚に入れています
本棚に追加
/477ページ
かけ直してもよかったが、プータローの身の俺。 無駄に電話代金を増やす事はない、と腹をくくり、甲板へと出た。 外は明るくなっていて、関節の節々が痛む事に気がついた。 携帯を見ると、時刻はすでに6時を回っていた。 そりゃ痛くもなるはずだ。 あんな格好で5時間くらい寝てたんだし…と、変に納得しつつ、タバコに火をつけ、一服していると… 「やぁ!おはよう。」 と、頭上から声が降ってきた。 俺は声のする方を見上げると… スーツにハットをかぶった、紳士的な初老の男性が俺に向かって手を上げていた。 一応、挨拶をされている訳だし、挨拶は返しとかなきゃと思い、ペコリと頭を下げ返した。 すると、その男性は階段を降りて、俺に近付いてきた。 改めて、俺は「おはようございます。」と、挨拶すると… 「昨日は絡み酒で、わるかったね。」 と、頭を下げた。 って… えぇ!? 昨日の酔っ払いか!? ハゲ散らかした、アロハなオッサン? チョビ髭無くなってるし、帽子でハゲ隠れてるから気付かなかった… まさか、こんなまともな大人だったなんて… 人って変わるもんだな…って改めて感じていた。
/477ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17242人が本棚に入れています
本棚に追加