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かけ直してもよかったが、プータローの身の俺。
無駄に電話代金を増やす事はない、と腹をくくり、甲板へと出た。
外は明るくなっていて、関節の節々が痛む事に気がついた。
携帯を見ると、時刻はすでに6時を回っていた。
そりゃ痛くもなるはずだ。
あんな格好で5時間くらい寝てたんだし…と、変に納得しつつ、タバコに火をつけ、一服していると…
「やぁ!おはよう。」
と、頭上から声が降ってきた。
俺は声のする方を見上げると…
スーツにハットをかぶった、紳士的な初老の男性が俺に向かって手を上げていた。
一応、挨拶をされている訳だし、挨拶は返しとかなきゃと思い、ペコリと頭を下げ返した。
すると、その男性は階段を降りて、俺に近付いてきた。
改めて、俺は「おはようございます。」と、挨拶すると…
「昨日は絡み酒で、わるかったね。」
と、頭を下げた。
って…
えぇ!?
昨日の酔っ払いか!?
ハゲ散らかした、アロハなオッサン?
チョビ髭無くなってるし、帽子でハゲ隠れてるから気付かなかった…
まさか、こんなまともな大人だったなんて…
人って変わるもんだな…って改めて感じていた。
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