大阪上陸

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さっきのオジサンは、送って行くよとか言いながら姿を消してしまった。 船を降りる時間になっても戻って来なかったので、俺はあきらめ船を降りる事に… とりあえず、大阪上陸や! 船を降りた所で、あんくんに電話しようと、携帯を取っていると… クラクションが鳴った… んだよ、ウルセェな… ぐらいの気持ちで、車を見ると…さっきのオジサンだった。 なるほど、車を船に乗せていたのか。 しかも、さすが代表取締役。車は真っ白のメルセデスなベンツである。 「さっ、乗って…」 そう言われ、俺は緊張した感じで乗り込んだ。 もしかして、ヤバい人とかやないやろうな? とか… このまま拉致られて、どこぞに売り飛ばされるんやないかな? とか… 色んな妄想が頭の中を駆け巡ったが、特に何事も無かった。 本当なら、目的地まで送ってくれたはずだったが、急遽仕事の電話があり、俺は天王寺で降りる事になっていた。 「ごめんね、ここから道わかる?」 「はい、大丈夫です。」 「本当にすまんね。さっきあげた名刺に、電話番号かいてあるから、最高に困ったら電話しておいで。助けになってあげれると思うから…」 そう言い残し、車は去って行ったのだった。 つか、良い人すぎんだろ? ハゲとか酔っ払いとか思っちゃってごめんなさい。 俺は心の中で、オジサンに詫びを入れていたのだった。
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