夏歩編 後半戦

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声がしたのは、出入り口の自動ドア付近だった。 そこには、ガチャポンが10台くらい設置してあったりするのだが… 俺の目に写ったのは、一心不乱にガチャポンを回すあんくんと亀子だった。 さっきの台詞から、ドラゴンボール系のガチャポンをしている様だが… 何故ここにいる? 出張は?? やはり、夏歩と居づらくて嘘をついていたか… それとも、自分が居たら夏歩が微妙な感じになると思い、家の主ながら気を利かせて嘘をついたのか… 後者なら、声をかけずにスルーすべきなのだが…生憎この店の出入り口はそこしかない訳で… う~ん… そんな事を考えていると 「お~ぃ五円くれぇ!五円あればピッタリなんだよ!早く五円を~!かもん五円!」 と、レジの方から夏歩の声が響いていた。 あの感じ…夏歩は俺が五円玉を持っているだろうと、信じ込んでいる様だ… どこからあの自信はくるのだかろうか? つか、逆に何もかんがえていないのか? なにはともあれ…今の夏歩の声で俺等の存在に気付き、チームあんくんが退散してくれると楽でいいんだが… そんな事を思いながら、俺じゃなく、五円玉を持つ俺を待つ、夏歩の元に財布を開きながら移動したのであった… あ…五円玉あった……
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