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てな訳で、100均に徒歩で向かっていたのだが…
やたらとニヤニヤしている夏歩。
なんか…
その…
気持ち悪いぞ。
「なんか良い事でもあった?」
そう声をかけると…
夏歩は、ハッと俺を見ては顔をしかめた。
なんなんだコイツは…
だが…また数分すると、ニヤニヤしている。
うん。
マジでキモいな。
「なんでさっきから半笑いなん?」
「行けば解るさ…フッフッフ…」
なんだ、顎をしゃくらすな!?猪木か己は…
そんなやり取りをしつつ、歩く事約5分。
100均に到着したのだが…
明らかに夏歩の様子がおかしい…
「あ……あっ………お、お父…さん…」
明らかに、孫悟飯な夏歩は俺のTシャツの裾を引っ張っていた。
「って、誰がお父さんやねん!?」
「だってぇ!!!張り紙が…張り紙が無くなってるんだもん!」
そう言いながら、夏歩は店内に駆け込み、店員を取っ捕まえた。
しかも、俺のよく知る店員のおばちゃん。
「あの、張り紙!張り紙は?何で剥がしたんですか!?」
やたら必死な夏歩を尻目に、お前の知り合いか!?的な目で俺を見つめるおばちゃんの視線が軽く痛かった。
一体何の話しか、皆目見当のつかない俺は、愛想笑い…いや、苦笑いでおばちゃんの言葉を待っていたのだった。
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